音楽に♯・♭は全く必要ありません
新しい楽典/記譜法      English

夏山澄夫のホームページ

関係する情報


  • 新しい考え方の
    ポイント

新しい考え方のポイント          分かりやすい音楽


実際の新楽譜を直ぐ見たい時はこちらへ



この新しい方式の考え方のポイントを以下にまとめます。


◎音名、階名を12音に

従来から音名、階名ともに7音ですが、これを共に12音に増やし、派生音を無くします。


◎ハ長調優先を廃した12音譜を用います。

どの調も同じ扱いになるように記譜を変更します。


◎平均律が出発点であり、純正律はその応用になります。

平均律が基準になっており、純正律は平均律から振動周波数を一定量シフトさせた音律と考えます。


◎純正律を分かりやすく表示出来ます。

純正律も12音を基に簡単に表示出来ます。


◎音程の数え方も12音を基にします。

音程は半音数、ピタゴラス・コンマ数、シントニック・コンマ数を用いて表せます。


◎ハ長調に偏らない純正律としてダイナミック純正律も考えます。

転調を容易にするために、各調を同じ扱いに出来る純正律を採用することが出来ます。


◎144平均律を考えます。

12平均律の各半音を更に12分割して144分割になる音律を考えます。


◎12音を超える楽譜は音律を先ず決めます。

オクターブ内に12音以上の音を使用するときは、楽譜としては12音譜を応用したものになりますが、その時どの音律であるかを常に念頭におかなければならなりません。
  具体的な音律としてはピタゴラス律、純正律、7−limit、144平均律などがあります。


◎音律を決めない楽譜は12音譜で済みます。

音律まで考えないとき楽譜は12音譜を使用すればよいことになります。


◇◇  平均律が出発点  ◇◇

平均律と純正律の位置関係を、従来より更に明確にすることが重要であると考えます。従来から純正律もあるし、平均律もあると言われているだけです。しかし、この両音律にははっきりとした関係がある訳ですから、この位置関係を明確にするとよいのです。両者の関係は初めに平均律があり、平均律の応用として純正律があると考えると、説明しやすくなります。説明に順序が出来て分かりやすくなり、一つの説明方法となります。平均律が出発点になるということです。


平均律が出発点と考えるのがよい理由について次のような喩えが出来る(多少大袈裟ですが)と思います。平均律と純正律の関係を説明するにあたって、“水”を例にとります。音律という音楽上のひとつの宝を大昔の人は見つけたのです。それは純正律です。


水とは何か?を考えます。大昔の人は“水”を川に流れている水として理解しました。現代人は“水”を化学式でH2Oと表わされる物質として理解しています。


純正律は川に流れる水なのです。これに対して平均律はH2Oなのです。ここで筆者が言いたいことは純正律が初めに使われたからと言って、純正律が基本になるのではなく、基本は平均律であると言う事です。水の基本は川の水ではなく、H2Oであるからです。


弦楽器などでは平均律は純正律からどれ程ずれているかと考える場合がありますが、これは話が逆であって純正律は平均律からどれ程ずれているかと考える方がよいのです。


川の水はH2Oだけでなく、ミネラルやその他の物質が含まれています。ミネラルによってはおいしい水にもなります。H2Oは無味であり、水以外何も含まれていません。


それと同様に平均律には何もズレはないのです。それに対して純正律には平均律からのズレがあるのです。このズレにより美しい和音も生じます。このように考えた方がより分かりやすく説明もしやすいです。ついでに書きますと、この点からすれば、絶対音感教育はその必要性の程度は別にしても、先ず平均律で行うのがよいことになります。


鍵盤楽器のように音の出し方が単純な楽器は平均律止まりです。調律を変えることで、純正律に対応することは出来ます。しかしこうすると、調による偏りが生じてしまいます。どの調でも平等に弾くことは出来なくなります。


これに対してフレットなしの弦楽器(ヴァイオリン等)は平均律にも純正律にも対応します。このような楽器には純正律が大きな意味を持ちます。


平均律にも、純正律にも共に長所と欠点がある訳ですから、欠点をあまり強調するのではなく、平均律を先ず出発点とし、純正律をその応用として扱うのがよいと考えます。更に細かく言えば、平均律が出発点であり、次にピタゴラス律に行き、その次に純正律に進むことになります。


筆者はこの点についてXY座標を使って平均律と純正律の振動周波数の関係を詳細に説明します。これについては  “本”  で詳しく説明します。


話は変わりますが、現在の純正律はやはりハ長調中心のものになっています。これについても筆者はハ長調優先をやめて、どの調も同じ扱いが出来る純正律にするように提案しています。既に説明済みですが、これをダイナミック純正律と呼びます。


◇◇  平均律と純正律の位置付け  ◇◇

平均律と純正律の位置付けは次の様に考えると分かり易いし、説明もしやすくなります。平均律が初めに存在しており、出発点です。次に調を指定した時に平均律の調が決まります。(決して“初めに調ありき”ではないと言うことです。)調は決まりましたが、ここで平均律ではなく、これを純正律に変えることも出来ます。こうすると旋律や和音の響きが非常に改善されます。従って純正律は平均律の応用になります。(△pと△aが生じます。)しかし純正律は基本的にその調固有のものです。他のどの調にもこの純正律がそのまま使用出来る訳ではありません。


従って転調して他の調に変わるときは次のようになります。この時先ず初めに再度平均律に戻ります。そして新しい調に変わりますが、これは平均律です。ここで平均律ではなく、再度純正律に変えることも出来ます。こうすると新しいその調に適した純正律を作り出すことが出来ます。このようにして、自由に純正律でも転調を繰り返して行くことが出来ます。これがダイナミック純正律の考え方でもあります。


尚、純正律の和音は基本的なものに限られています。従ってポピュラー音楽に出てくる数多い多彩な和音は純正律ではありません。


以上のように、平均律と純正律の位置付けを説明して来ました。何を基準に考えて行くかによって話は変わりますので、平均律と純正律の位置付けに対してこれと異なる考え方も出来ない訳ではありません。しかし、平均律を基準に考えるのがごく自然です。話の筋道もはっきりします。


音楽は純正律であるべきと考える人もいるようですが、純正律はこの様に音楽の音律体系中の一区分であり、同様に平均律も純正律とは異なるものの、一区分の音楽です。両者の位置関係がこのように明確になり、両音律間の行き来が容易になれば混乱も少なくなるはずです。


◇◇  位置付けまとめ  ◇◇

両音律には常に相互関係があるので、音律決定には次のように考え方に順序を付けると好都合です。


@平均律が初めに存在する。

A調が決められる。

B必要ならその調の純正律が決められる。

C転調が必要なら先ず再度平均律に戻る。

D新たに調が決められる。

E必要ならその調の純正律が再度決められる。


トップへ


ホームへ




inserted by FC2 system