音楽に♯・♭は全く必要ありません
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以上のような考え方を踏まえて、それでは記譜はどのようにすればよいのでしょうか。次にここで新しい方式の具体的な記譜法を説明します。


はじめに新しい記譜法の利点をまとめておきます。


◇◇  新記譜法の利点  ◇◇

@白黒12音の音符で分かりやすい。

A音高が直読出来る。

Bハ長調への調の偏りが無い。

Cピタゴラス律・純正律の時、ピタゴラス・コンマ、シントニック・コンマまでも直接表示され分かりやすい。

Dどの調であっても音符の並びから和音が直読出来る。

Eオーケストラ・合奏の楽譜に移調楽器の必要がなく、より自然な楽譜になる。

F♯・♭と音符の両方を合わせて読む必要がない為、音符の上行と下行で♯音、♭音の使い方を変える必要もない。

G現代音楽にも都合がよい。

12音以上の記譜をする場合は音律を決める必要があります。今までの楽譜はこのあたりの話が曖昧でしたが、この方式では先ず音律を決めて、その中のどの音であるかを指定してその特定の音を表示することが重要になります。


直接読める記譜法なら長靴を履いたまま、足の裏を掻くような面倒なことをしなくとも、直接足を掻くことが出来るような話にも喩えられ、読むのが簡単になります。


◇◇  音符表記方法  ◇◇

ピタゴラス律、純正律、現代音楽の音符に表記される記号は次の表に示すようにします。音符表示は極力簡単である必要があるので、1文字のみを使っての表示になります。従ってマイナスの記号を付けずに文字を傾けることでマイナスを表します。(12平均律の場合はこれらの文字は常に不要ということです。12平均律でなくとも、表示する必要がないケースは多くあります。)


T.ピタゴラス律音符表示規則

ピタゴラス律はピタゴラスコンマの有無を音符で表示します。


ピタゴラス律音符

音程
表示記号
音符表示
  マイナス・ピタゴラス・コンマ  
−P
ピタゴラス・コンマ無し
  不要(必要時のみ0とする。)  
(  )
プラス・ピタゴラス・コンマ
+P

U.純正律音符表示規則

純正律はシントニック・コンマ(A、B、U、D)を音符で表示します。


純正律音符

  純正律  
音程
  表示記号  
  音符表示  
−2擬似シント
ニック・コンマ
−B
−1擬似シント
ニック・コンマ
  ここが最小値の時(downmost)  
    −D    
ここが最小値でない時
−A
  シントニック・コンマ無し  
不要(必要時のみ0とする。)
(  )
+1擬似シント
ニック・コンマ
ここが最大値でない時
+A
ここが最大値の時(utmost)
+U
+2擬似シント
ニック・コンマ
+B

V.四分音等使用現代音楽音符表示規則

次に現代音楽について説明します。現代音楽は12音譜を使用することで問題ありません。ただし、四分音等を使用する場合があります。この場合の音符表示を次に説明します。


半音を12分割した1単位音を扱います。この単位音は8.3333セント刻みの音になります。四分音=6単位音、六分音=4単位音、八分音=3単位音です。なお、三分音もあり、これは8単位音になります。


また各半音に対して、この12分割音を@−5 A−4 B−3 C−2 D−1 E 0 F+1 G+2 H+3 I+4 J+5 K+6の12段階の数字で表示します。


現代音楽音符

音程
  表示記号  
 音符表示 
     半音     
  12分割は不要(12単位音)  
文字不要
四分音
6単位音つまり +6
(三分音)
  (8単位音つまり奇数半音の
 +4 または−4)  
 (   または   ) 
*注1
六分音
  4単位音つまり +4 または−4  
   または   
八分音
  3単位音つまり +3 または−3  
   または   

注1:曲のド音が白音なら黒音のみが三分音に該当し、逆にド音が黒音なら白音のみが三分音に該当します。

W.7−limit音符表示規則

7−limitについてまだ説明していませんが、これについては次の  “本”  を開いて参照して下さい。


7−limit音符
整数比
  表示記号  
 音符表示 
     7/4     
  −H  
X.144平均律音符表示規則

次に144平均律音符の表記の方法を示します。これは144音譜とも言えます。これは各半音に対して、12分割音を@−5 A−4 B−3 C−2 D−1 E 0 F+1 G+2 H+3 I+4 J+5 K+6の12段階に分け、各音の音程をこれらの数字で表示することになります。音符表示でマイナスの値の数字を斜めに傾けているのはこれまでと同じことです。


X.144平均律音符

144平均律
     音程(セント)     
 表示 
記号
 音符 
表示
応用する音の種類
現代音楽
ピタゴラス律
純正律
-5×8.333
−5
 
 
 
-4×8.333
−4
 六分音(三分音) 
 
 
      -3×8.333=-25
−3
八分音
 
 
-2×8.333
−2
 
 
ミ音・ラ音
-1×8.333
−1
 
ドレ音・レミ音・
ファソ音・ソラ音
シ音
半音
  ド音・レ音・ファ音・  
ソ音・ラシ音
  ド音・レ音・ファ音・  
ソ音・ラシ音
1×8.333
 
ミ音・ラ音・シ音
ドレ音・ファソ音
2×8.333
 
 
レミ音・ソラ音
     3×8.333=25
八分音
 
 
4×8.333
六分音(三分音)
 
 
5×8.333
 
 
 
     6×8.333=50
四分音
 
 

◇◇  実際の音符の例示  ◇◇

次に実際の音符がどのように表されるのか白音と黒音を用いて例を示します。この例はピタゴラス・コンマ高い音符と144平均律の半音より3/12だけ低い音程のつまり−3の音符(現代音楽なら八分音)です。このように上に示した文字や数字を用いて所定の音程の音符を表します。



以上の記譜法規則は音符表示の基本となるものです。実際の記譜にあたっては、使用する音律等も表示する場合もあります。また12音譜で十分間に合う場合も多々あります。ある音律の使用12音を指定して、12音譜として使うことも出来ます。


詳細は別途“本”があります。  本へ  をクリックして下さい。



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